パレスチナ アジア大会2026:危機のなかで再建を目指すスポーツ界
パレスチナの歴代2個のアジア大会メダルはボクシングと空手で21年の間隔を挟んで獲得されたもので、2026年大会への準備は、自国連盟自らが「戦争により壊滅的な打撃を受けた」と表現するスポーツ環境のなかで進められている。
パレスチナのアジア大会成績
パレスチナがこれまでに獲得したアジア大会メダルは、いずれも銅メダルの2個のみである。2002年釜山大会でのボクシング男子ライトヘビー級ムニール・アブケシェク選手と、2022/23年杭州大会での空手女子68kg級組手ハラ・アルカディ選手だ。2018年ジャカルタ・パレンバン大会では、陸上競技、サッカー、柔術、空手、水泳、テコンドー、重量挙げ、レスリングの計8競技に選手を送り込んだが、メダル獲得はならなかった。
| 大会 | 順位 | 金 | 銀 | 銅 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2018年 ジャカルタ・パレンバン | 圏外 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 2022/23年 杭州 | 36位 | 0 | 0 | 1 | 1 |
出典:Wikipedia「Palestine at the 2018 Asian Games」「Palestine at the 2022 Asian Games」「Palestine at the Asian Games」。歴代通算順位44位は同出典による。
パレスチナの得意競技
空手とボクシングは、パレスチナにメダルをもたらした唯一の競技であり、それぞれ銅メダル1個ずつを自国の歴史のなかで獲得している。サッカーは常に最大規模の代表選手団を送り込み、国内で最も高い注目度を誇る競技だが、これまでアジア大会でのメダル獲得には至っていない。テコンドーには、パリ2024オリンピック出場者であるオマール・ヤセル・イスマイル選手という国際的に認知された選手がいるが、同選手はまだアジア大会でのメダル獲得実績はない。
パレスチナの競技別代表選手団
本稿執筆時点で、パレスチナ・オリンピック委員会による2026年アジア大会の公式代表選手団は発表されていない。
公式連盟・報道で確定済み
| 競技 | 主な選手名 | 状況 |
|---|---|---|
| パレスチナの2026年アジア大会代表として個々に選手名が公式確定した例は見当たらない | ||
報道はあるが正式発表待ち
| 競技 | 備考 |
|---|---|
| テコンドー | パリ2024オリンピック出場者であり、パレスチナで直近最も国際的知名度の高いオマール・ヤセル・イスマイル選手について、2026年アジア大会代表への選出は確定していないが、有力な候補と考えられる |
出場確定・代表未発表
| 競技 |
|---|
| サッカー、空手、ボクシング、陸上競技、水泳、柔道、柔術、レスリング、重量挙げ、トライアスロン、体操、ビーチバレーボール、ゴルフ、eスポーツ |
注目トピック
深刻な苦境下にあるスポーツ界。 パレスチナのスポーツ連盟や記録プロジェクトは、ガザ紛争のなかで数百人規模の選手が死亡し、スポーツ施設が広範囲にわたって破壊されたと報告しており、これは2026年大会に向けたあらゆる準備の重い背景となっている。
オマール・ヤセル・イスマイル選手の存在感。 パリ2024オリンピックのテコンドー競技に出場した、パレスチナで現在最も知名度の高い選手であり、2026年大会代表に選出されれば大きな注目を集めるだろう。
歴代2個目のメダルを土台に。 ハラ・アルカディ選手による2023年の空手銅メダルは、30年以上にわたる出場歴のなかでパレスチナにとってわずか2個目のアジア大会メダルだった。
